手軽になってきたレーシック

95年4月に開院した外来専用のK田クリニック(K田省吾院長、19床)は、それを体現したかのような空間である。 自動一扉を入ると、「おはようございます」と、ベルガールのような制服の女性が声をかける。
車いすが必要な人にはすぐ用意し、てきぱきと各科へ案内する。 「患者さまのサービスだけに専念するサービス課のスタッフが5人います」広報のM和子さんがいう。
太平洋にきらめく陽光を採りいれる吹き抜けのアトリウムと、カーブを描く回廊。 動線が最短になるよう計算されたエスカレーター。
触れてみたくなるオブジェは、自然をモチーフにした「アート・イン・ホスピタル」の思想からだという。 患者がまばらにみえるのは、自宅から電話予約できて待ち時間がなく、直接各科へ行けるから。
医療スタッフの姿がみえないのは、診察室をはさんで内側が患者の空間、外側が医療者の空間と区別されていて、医療者はノートパソコンで電子カルテの情報をどこでもみられるからである。 もちろん患者もカルテを共有する。
千葉県南部の約20の診療所と電子カルテの情報をやりとりすることで、患者は自宅近くの診療所で検査の申込みをし、検査結果の画像をみることもできる。 こうした患者中心の思想は、目にみえるところのみならず、医療の質というみえないものにもM野副院長は死亡例検討会から手をつけた。
診断や治療に問題はなかったか、各科の医師の目が入ることでいい緊張感が生まれた。 手術の死亡率や再手術率、再入院率、帝王切開の割合にいたるまで1000項目以上の指標を統計処理し、ほかの施設と比べる「クリニカル・インディケーター」も導入した。
アメリカ最大のMHA(メリーランド・ホスピタル・アソシエーション)によるプロジェクトに参加して約1700の会員病院と比較している。 その結果をレビュー委員会で検討し、改善に役立てる。
たとえば、新生児死亡率がアメリカより高い理由を分析したところ、他院から運ばれた未熟児の死亡が多いとわかった。 もっと早く移送するよう地域の医療機関に依頼したところ、死亡率が下がったという。
96年には、「主治医権」と「診療領域」を設けた。 患者の状態を把握して、その日その日の変化に応じて治療を自分の判断で進めていく力をもっていると病院が認めた医師しか、主治医にはなれない。

主治医以外の医師も患者を担当するが、区別して「担当医」と呼ばれる。

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